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カテゴリ:物語( 90 )

「見事な歌と演奏を聴かせて頂いて、ありがとう。さっきのあの歌を好きな2人に、私からはなにも言うことはありません。」そこで一旦黙ったジムに、マーメイドが「そんなこと言わずに!何か言ってー。」マイクなしの声でも十分響き渡る。団員たちから少し笑いが出て、ジムも気を取り直し、ちょっと笑ってから「ただ好きだ、一緒にいたら幸せになれるに決まっているとだけ、安易に考えているわけでなく、二人が、いつか、いや、すぐにでも何度も来るかもしれない試練を見据えて、自分たちらしく乗り越えて、いっそう絆を深める覚悟と希望があることが、私には伝わった。おめでとう。末永くお幸せに、そんなこと言わなくていいくらいのお似合いの二人だ。」挨拶をおえると、マーメイドが「ありがとうー!!ジムに拍手ー!!」まるで、公演の時のように言って、しんみりムードを吹き飛ばした。
アンドリューの所属する団の女性の団員から、「ねー!ブーケトスはないの?」とのリクエストにアンドリューが、マーメイドを見ると「もちろん。この幸せ、次に続くのは誰かしら。まだ、結婚してない、みなさーん、はーい、集まって集まって。」女性達が集う。マーメイドが後ろ向きに立って、「そーれっと!」みんなが声と手を上げた。放物線を描いてブーケが飛んで、「えーー!」受け取った、というより、落下したのは、女性たちがいたところより少し外れたバートの所で、職業柄、反射的に受け取ってしまったので、女性たちはブーイング。「ぼ、僕?!取っちゃって、ごめんなさい。もう一回投げ直す?」マーメイドに差し出したけれど、「あのね、バート、結婚に、もう一回とか、縁起悪いから。やらないわよ。あなたが受けちゃったんだから、あなたのものよ。」「あなたの物、って言われてもなぁ。」バートが申し訳なさそうに手にしたブーケを見つめる。ソフィアがからかって「花嫁になる?」「あげるよ、ソフィアに。」ソフィアに渡そうとしたら「嫌よ。なんか、すでにご利益なさそうだもん。」「仕方ないなぁー。」バートがアンドリューとマーメイドの方に向き直り「なんか、僕じゃない人が受け取るべきだったとは思うけど、ちゃんと大事にします。」そう言うとアンドリューが「誰が取ったって、幸せになれるから。幸せのお裾分けだから。遠慮なく受け取ってください。」彼の人柄が伝わるアンドリューの言葉に、バートはやっといつもの笑顔になり、「はい、ありがとうございます。お幸せに。」うんと深く頷いて笑みを浮かべたアンドリューをマーメイドが幸せそうに見つめていた。パーティーは、みんながずっと続いたらいいのにと感じるほど、幸せいっぱいの和やかな時間だったが、ワンダーランドサーカスの面々は今日が千秋楽だが、アンドリューの仲間たちはみんな明日も仕事があるので、夜行バスで戻らねばならず、お開きとなった。
片付けは、全員が手伝って、あっという間に、いつものテントに戻った。ジムが、「アンドリュー、私からもお礼の連絡はするが、帰ったらギルバートの団長にくれぐれもよろしく伝えてくれよ。」「はい。伝えます。」笑みで頷いた。「マーメイドは、次の移動先で、合流させたらいいから、一緒に行くといいよ。」ジムが言うと、アンドリューは驚いて、「えっ?」マーメイドはニヤリとして、「実はぁ、私のお道具は、もう、先に送ってあって、トランクルームにあずけてあるの。だから、ついて行くわよ。」腕を組んだ。ケイトが歩み寄って、「ゆっくり公演を観て、楽しんで来てね、マーメイド。旦那様の晴れ姿。」「うん。ありがとう、ケイト。」ハグをしてケイトに感謝した。
片付けが終わって、ゲート近くのベンチで休んでいたバートに、ジャックが「おつかれさん。ちょっと付き合えよ。」ゲートの外を指差した。

by kigaruni_eokaku | 2019-06-21 21:06 | 物語 | Comments(0)
結婚パーティーは、みんなが盛り上げて、あっという間にお開きの時間が近づいた。マーメイドの所にマイクが渡された。「皆さん、今夜は、ありがとうございます。私もアンドリューも、」と、隣の彼がにこやかにうなづくのを見てから、「とっても幸せです。それで、私たちから、皆さんへ、心からのお礼の気持ちを込めてある曲を歌いたいです。」アンドリューは足元にあった封筒を四重奏団に手渡しに行き、「初見で悪いけど、よろしくね。」と耳打ちした。演奏者は手際よくそれぞれの担当の譜面を分けて譜面台に載せた。アンドリューはマーメイドからマイクを受け取り、「僕も大好きな曲、ローズという曲です。お聴きください。」場内が暗くなり、二人にピンスポットが当たると、アンドリューがバイオリンを構えて、ゆっくりとしたテンポで、透明感のある2音の四分音符を丁寧に2小節弾くと、マーメイドがいつものソプラノではなく、アルトの声で、歌い始めた。その声はあたたかく、一つ一つの言葉の意味が、聴く者の心に染み渡るような歌声だった。徐々にほかの楽器のみんなも加わって、愛について語られている歌詞が進んで行く。愛は、素晴らしいものだが、河のように人を溺れさせたり、時に剣のように心を傷つけることもある、愛を与えられると人は強く幸福を感じる反面、一度知るとその飢えを感じて苦しむこともある、しかし、愛は花のようでもあり、あなたはその花の種だとマーメイドが穏やかな表情で歌う。人は生きていてさまざまな困難に直面するけれど、そんな時に思い出すべきことは、何もないかのように見える冷たい冬の土の奥深く、春に芽吹くことをじっと待っている花の種は、やがて春が来たら、立派な薔薇の花を咲かせる。その強さと美しさを思い、愛の尊さと、強さを信じて生きていこうというような歌だった。
マーメイドの歌が終わっても、人々はしばらく拍手をするのをためらうほどの余韻が場内を包み込んでいた。そののち、テントを膨らませんばかりに拍手が鳴った。鳴り止まなかった。ジムが、涙目で、マーメイドの歌をかみしめていた。いなくなった息子、その時に傷ついた妻と幼い娘・・・。自分はいつも家族を支えられだたろうか、この歌のようにケイトが辛い時に冬の種が春に芽吹くような強い愛を自分に与えてくれて困難を乗り越えられたのではないだろうか。大事な息子が帰ってきて、みんなで支え合えるようになった今、本当の愛を神様に感謝しなくてはいけないと改めて思い、唇を噛み締めていた。マーメイドとアンドリューがこの歌を大好きなら、きっとこれからあるかもしれない苦しみを、優しさと強い愛で乗り越えて行くだろうとメガネを外し、涙を拭った。「あなた、大丈夫?」サラを寝かしつけて、ディアナと交代でパーティーに戻ったケイトがハンカチを出す。「ケイト・・・。良い、歌、だな。」「そうですね。私もこの歌の種のようになりたいわ。」静かに言うと、ジムが「お前はずっと、優しくて強い私の大切なバラの花の種だよ。」そう言って抱きしめた。
拍手がおさまり、照明が戻り、マーメイドが「皆さん、ありがとうございます。楽器のみんなもね。」声をかけると弓で軽くトントンと楽器を叩いてニッコリした。「最後に、一番お世話になっている、団長のジムにご挨拶を頂けたらなと思っています。」照明がジムに当たると、はっとケイトをはなしたのを敏感に感じてマーメイドが「ジム・・・?今、何してた〜?私たちよりアツアツみたい。」場内が笑いに包まれ、ジムはケイトのハンカチで、ひや汗と涙を拭いて苦笑いした。



※マーメイドが劇中でうたいました、私が大好きな歌、ローズの歌詞の訳詞は、ベット・ミドラーさんのCDの訳詞と、もう一つ、ステキな作品だった、宝塚歌劇の公演、イカロスの中の訳詞(歌詞)を参考に、プラス私、で、まとめさせて頂いています。※
※ちなみに、アニメ映画「おもひでぽろぽろ」のなかでは、都はるみさんが、日本語で歌っておられます。かなり忠実な訳詞。しかし、超ーー個人的には日本語の歌なら、宝塚歌劇で歌われた歌詞の方が好みなのてす。英語歌詞より多少シンプルにされてはいるような気はますが、きれいで、すごく伝わるものがあります。※


by kigaruni_eokaku | 2019-06-18 09:13 | 物語 | Comments(0)
本日限定の弦楽四重奏団が、演奏する結婚行進曲に合わせて、先頭にはフラワーガールのサラが、バージンロードに見立てたシートの上に、花びらを撒きながら歩いていく。サラに続いて、既に亡くなっているマーメイドの父親の代わりに団長のジムがマーメイドをエスコートして、アンドリューの元へ。マーメイドがアンドリューの横に立つと、音楽が静かに止み、ジムがマイクを受け取ると、「皆さん、お集まり頂きましてありがとうございます。今日はアンドリューとマーメイドの結婚を祝うパーティーです。教会ではありませんが、おきまりの言葉を聞かせてもらいたいので、私から尋ねても、よろしいですか?」集まった人々から、拍手と口笛が鳴る。「ありがとうございます。アンドリュー、マーメイド、これから先、どんなに辛い時も幸せな時も、お互いのことを心から大切に思って、生きて行きますか。」「はい。」としっかりとした声で応えて微笑んでお互いを見つめあった。「それでは誓いのキスを。」ジムが言い終わるより先に二人がキスしてしまったので、フライング気味に四重奏団が華やかな曲を演奏して盛り上げる。
二人が席に着き、サラはジムに抱っこされ、席に戻るとエディーがバトンタッチして、娘を受け取って抱っこする。サラは眠たそうな様子で「パパ、マーメイド、とーってもきれいだね。」そう言ってあくびをした。横で見ていたケイトが「サラ、グランマとお休みしようか。」声をかけると、「やだ。」言いながらももうまぶたはくっついていた。「お義母さん、お願いしてもいいですか?」エディーが静かに言うと、「ええ、もちろん。大役は立派に果たしたしね。さ、行こうね、サラ。」おんぶしてテントを出て行った。アンドリューの所属する団の団長さんからのご馳走を、ソフィアとディアナ始め、数人の女性団員がみんなに勧める。バートは飲み終わった瓶を運んだり、空いた皿を手際よく片付けながら、パーティーの様子を見ていた。両方の団のみんなに写真を撮られたり、ひやかされたりしている新郎新婦を見て、ソフィアがバートに「幸せそう。二人とも。」「ほんとだね。よかったね。」二人がしみじみ見ているとマックスが、「今が一番いい時だ。これからが大変だ。」ワインが入ったグラスを手に二人に言うと、バートが笑って「重みがあるね。」マックスは続けて「そうさ。これから一生、尻に敷かれ続ける。」ソフィアが「男の人はそれが幸せなんでしょ?」冗談ぽく言うと「夫婦円満の秘訣。敷かれている演技をしているんだ。おれはな。アカデミー賞モノの迫真の演技を日々している。」そこへおしゃれをしたガーネットが「じゃあ、アカデミー俳優と結婚出来た私は幸せね〜。」「お。おい。」「ソフィア、結婚するときは、サーカスとは関係ない人にしなさい。」「ガーネット・・・。」何と答えようかソフィアが苦笑していると、バートが「ソフィアは大丈夫。もう、見つけてる。」ガーネットがへぇーという顔をして「どこの子?最近学校に行けてるの?彼氏、出来たなんて。」本人が言いにくそうに口を閉じてもじもじしていると、マックスが「それがなー、お前、相手はな、」割って入って言いかけると、恥ずかしそうにソフィアがゆっくりと指差す。さした方向にいた、ジャックが偶然気がついて近寄って来たのでガーネットが、ソフィアたち同様、パーティーを手伝っているジャックに「あ?あなた、だれ?」思わずそういうと、「あー、えーと、銀行からここに来てます、ジャック・フェリーといいます。あなたはお会いしたこと、なかったですよね。」「銀行?はぁ。ああ、私は外で働いているので会わなかったのね。マックスの妻のガーネットです。主人がいつもお世話になっています。」「いえ、お世話になってるのは、こちらで。えー!?マックスの奥さん!?若いー!お綺麗ですねー。」ジャックの言葉にガーネットが嬉しそうに「ありがとう。お世辞と分かってても嬉しい。」「お世辞だなんて。」「あなたも立派なアカデミー俳優になってね。ソフィアは本当に良い子だから。」「あ、はい。え?」ガーネットがニコニコして「はい、じゃ、ハグ。ハグして。ハグ。」ジャックの方にソフィアの背中を押す。「え?なんで?急に?」うろたえるジャックにソフィアの方が照れながら両手を広げたのでジャックが柄になくドギマギしつつハグして「ガーネットさん、ポートランス家の人?」尋ねると「いずれ、なるんでしょ?あなたが。今から慣れて。」サラッと言った。「やれやれ。」マックスが呆れてグラスに残っていたワインを飲み干した。

by kigaruni_eokaku | 2019-06-15 19:16 | 物語 | Comments(0)
元々整った風貌のアンドリュー、ジャニスの美容院の中では一番下っ端の、と言っても、店には4人しかスタッフはいないが、フランツくん、見習いという割には良い花婿衣装を選び、髪もちゃんと感じ良くセットしていた。「マーメイドさん、見習い見習い言わないでくださいよ。僕、ちゃんと、美容師免許持ってるんですからね。スタイリストや、ブライダルの修行もしてます。たまたま一番若いってのと、最後に入ったってだけで。」不服そうに反論するフランツに笑ってから、ジャニスが、マーメイドの方を見て、「そうよ〜。マーメイド。フランツは努力家だし、美容師の学校でも成績、よかったんだから。腕を認めてあげて。」マーメイドは豪快に笑って、「冗談よ。最初からあなたのことはすごいって思ってたわ。可愛いからついからかってただけよ。」そう言って手招きすると、なんとなくマーメイドに近付いたフランツを抱き寄せ、ほっぺにキスをしたのを見て、アンドリューが「ま、マーメイドっ!ちょっと、なんてこと。」さすがに大人しいアンドリューも割って入ろうとしたが、その前にフランツの方がびっくりして飛び退いていた。「すみません!アンドリューさんっ!僕、運動神経良くないし、予知能力とかもないんでっ!す、すみません!」フランツがぺこぺこと頭を下げると、アンドリューは、仕方ないなぁ〜という顔をして、苦笑い。「実は、慣れてます。ま、シラフでってのは、初めて見ましたけど。ゴメンね、フランツ。」フランツはあたふたしながら「あ、いえ、その、僕は別に・・・。」ブラシと鏡を持った手を振って恐縮。ジャニスが、「フランツ、そのままパーティーに出る?」笑ってティッシュを箱から引っこ抜いて手渡す。「あ、そ、そうですよね。」頰についた口紅をゴシゴシして、やっと平静を取り戻したフランツにアンドリューが、「今日はうちの団長から、たくさんご馳走が届くから、フランツもいっぱい食べて楽しんでいって。」フランツは驚いて「えっ!?僕も?いいんですか!?ありがとうございます。マーメイドさん、優しいご主人でめちゃくちゃ幸せですね。」弾んだ声で言うとマーメイドが自慢の長いまつげをパチパチして、「あーら、私には勿体ないとでも言いたそう。」「もう〜!マーメイドさん!本当にそう思ってるのにぃ。じゃ、僕、道具、事務所に置かせてもらってるんで、片付けて来ます。」「ええ、分かったわ。」ジャニスがフランツを送り出して「さて、私もパーティーの飾りつけでも手伝うかな。」二人に気を利かせてテントの方へ出て行った。ずっと立っていたアンドリューが、ジャニスが出て空いた椅子に腰を下ろし、マーメイドをじーっと見つめる。マーメイドは少し照れて首を傾げる。「あなたがここに入って来てから、私、大切なこと、まだふつうに言ってもらってないわよね。」「何だろ。」わざととぼけるアンドリューに、マーメイドが「こーんな綺麗な花嫁、世界中どこ探しても、い、」途中まで言うと「どこ探しても、いません。僕は幸せ者です。これでいい?」マーメイドは高飛車な調子でいつものように言い返すのかと思っていたアンドリューは、目の前の彼女の様子に、ハッとする。切なそうな顔をして、「うん、うん。ありがとう。アンドリュー。こんな私をずーっと待っててくれて。お嫁さんにしてくれて。ありがとう。」ポロポロと目にあふれた涙を頰に伝せた。「どうしたのー。ああ、ダメだよ。せっかくしてもらったメークが台無しになっちゃうから。終わったらいくら泣いてもいいから。今はやめて。」「だってー、今、泣けて来たんだものー幸せ過ぎてー。終わってからなんて、無ー理ー!わぁ〜ん!」声楽家マーメイドの腹式呼吸の大声に、近くを通りかかったジャックがひょいと入り口に首を突っ込み、「でかい声だなー。何、泣いてんだ、マーメイド。おめでたい日に。おい、新郎、泣かしてんじゃないよ。」「あ、は、はい。ごめんなさい。」よくわからずも緊張して背中を丸めて謝るアンドリューと泣きべそマーメイドを腕組みして交互に眺めてジャックはクスッと笑って「謝らなくていいよ。どっちみち嬉しすぎて、泣いてんだろ。もうすぐ、ディアナとソフィアが迎えに来るから、その、まつげ、落とさないようにちゃんと見といてよ、新郎。」二人は同じ表情で固まって、ジャックの言葉にコクリと頷いた。
by kigaruni_eokaku | 2019-06-09 20:08 | 物語 | Comments(0)
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千秋楽本番のテントに入ることが出来ない人達のために、エディーや、マーメイドらが奮闘する。お客さんは大いに喜んで、盛り上がっている。ラストには、エディー・ディアナ夫婦の愛娘サラのこの地でのデビューが。ディアナとサラは馬で登場して、お客さんの拍手に迎えられると、馬から降りた。サラは最初はディアナと同じポーズを取ったり、可愛く一緒にダンスをしたりしていたが、音楽が変わり、エディーが走り込むとサラが駆け出して抱きついたのをエディーはサッと肩車して両手を広げ、周りを囲むお客さんに笑顔でアピール。サラの足を支えているエディー、サラは真剣な顔で、父親の肩の上で立ち、バランスを取りながらゆっくりと両手を広げる。それからじわじわと得意げな笑顔が湧いてきた。お客さんからは微笑ましくも見事にやりきったサラに拍手が送られる。さらに下からディアナが小さな帽子を投げるとなんとそれを受け取って被って見せた。サラが大好きなお気に入りの帽子姿に人差し指を頰に当てると、割れんばかりの拍手へと変わった。頃合いを見て、エディーはサラを下ろすと、両ホッペにキスをして抱きしめると、お客さんに3人で挨拶。ディアナがハンドマイクを持つと「ありがとうございまーす!今日はお入り頂けなくてごめんなさい!」そう言いながら、用意した花束を、一本ずつお客さんに投げ始めた。ディアナからマイクを受け取ったエディーが「我々ワンダーランドサーカスが次に参ります町は、ここからは随分離れていますが、ミューアイリスポート、海辺の町です。もしよろしければ、そちらにお越しの際には、お運び頂ければと思います。そちらにご友人、ご親戚の方などがおられましたら、宣伝よろしくお願いします。」エディーの挨拶にお客さんは拍手と笑いで答えた。
千秋楽の公演はいつも以上に盛り上がって、アンコールが5回もかかってやっとお開きとなった。ポップコーンも、なんとバートのキャンディーも完売しての終幕となった。
終わるとすぐに男性陣は客席の椅子や大道具をかわし、女性団員や、団員の妻たちは、広くなった大テント内にテーブルを並べて、クロスをかけたりし始めた。ソフィアの指示の元、花や、風船を飾り、並べていく。今朝のグリーンさんのお祝いの花は、新郎新婦の席の周りに形良く整えられた。字の上手なマックスが、ボードにペンキで、アンドリュー&マーメイド、ハッピーウエディングとするすると書くと、そこにソフィアがリボンとクマのぬいぐるみをくっつけて飾ると「よーし。みんな、手伝ってくれ。」マックスが、そばにいた団員にボードをもたせて、動物の芸に使うポールにトンカンと釘付けして看板が出来上がると、二人の席の後ろに立てた。「こんばんはー!」楽器ケースを持った数名の男女がテントに入って来る。「俺たち、アンドリューとマーメイドの音大時代の同級生なんですがー。とにかく今日はここで演奏しろってマーメイドから電話がかかってきまして・・・。」頭をかく。聞いたディアナが想像つくわとばかりに笑うと「ようこそ。どうぞ、適当にくつろいでてくださいね。」彼らはすぐにケースから楽器を出すと軽く音出し。ソフィアが風船をあちこちに飾りながらテント内に響く音色を耳にして「え〜!?なんてきれいな音色。」思わず呟くと、箱に追加の風船を入れたのを運んで来たディアナが、ソフィアに「新郎新婦の音大時代の友達なんだって。」「そうなのー?それプロじゃない。プロの生演奏で結婚パーティー素敵だわ。」2人顔を見合わせて頷く。

マーメイドは自室で、馴染みの美容師とメーキャップ中。「マーメイド、おめでとう。きれいだわ。」「ありがとう。ジャニス。」マーメイドがジャニスの手を握る。「あなたがこの街にきて、よくうちに通ってくれて、あっという間に仲良くなっちゃったけど、5つ上のお姉ちゃんとしては、妹分に先に結婚されてちょっと悔しいわ。」「ごめん、ジャニス。アンドリューから熱烈に求愛されちゃったから・・・。」「はいはい。その話はもう何度も聞いたから。」2人で爆笑する。やがてジャニスの表情は一転して、涙をためて「あなたを本当に大切に思ってくれる、やさしい彼と、幸せに、思いっきり幸せになってね。」しみじみ言うと、「ジャニス、なんか・・、ママに言われてるみたい・・・。」珍しくベソかきマーメイドに「もう、やだ。“ママ”はないでしょう。」白いレースのハンカチのカドでマーメイドの涙を拭くジャニス。「せめてお姉ちゃんよ。さぁ、お化粧が崩れるから、もう泣かないで。」強く優しい顔でマーメイドを見つめる」「そうね。あ、アンドリューの方の衣装は?」「フランツがやってるわ。」「見習いフランツ!?大丈夫?」しばらくして、フランツとアンドリューがマーメイドの所に来た。

by kigaruni_eokaku | 2019-06-02 16:55 | 物語 | Comments(0)
b0314689_23160404.jpegおはようございます。いつもお忙しい中、こちらにお立ち寄り頂いてありがとうございます。
一回に載せる量がしれてるし、素人の手ですので、長いこと続いています明日のチケットですが、そろそろフィナーレが近づいてまいりました。登場人物みんな、私とは違い、(苦笑)いつも前向きに丁寧に生きて行こうとしてます。よろしければ、あと少々お付き合いくださいね。
次は短めの、少し不思議なお話を載せていけたらと思っています。

by kigaruni_eokaku | 2019-05-29 06:14 | 物語 | Comments(0)
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やがてやってきた千秋楽の日は、なんとも賑やかな朝だった。グリーンさんからお祝いにたくさんの花が届いた。起床して、ウォーミングアップがてらテントの周りに来て見かけた団員たちは感嘆の声を上げる。ディアナも驚いて、朝ごはん中のケイトとジムの所に飛び込む。「お母さん、グリーンさんから、すごくきれいなお祝いの花が届いたわっ!」「グリーンさんから?」「ええ。早く、見に来て。」ジムはパンをくわえて、「そんなことに、なってるのか?!」モグモグしながら半信半疑の驚き顔。ケイトはディアナに手を引かれ、ゲートからずっと続く、テント周りの通路の花の飾りを見て、「まぁ!これは見事ね。ステキだわ。」歩きながら笑みして、色とりどりの花を幸せそうに見ていた。しかし驚きはそれだけではおさまらなかった。夕方5時の開場に向け、なんと昼過ぎから既に当日券を求めるお客さんが集まり始め、30分もすれば列になっていた。それを見たマックスが「なんだっ。これは。」一歩仰け反った。一緒に居たエディーが全体を見渡し、「早いけど、当日券の販売を始めよう。マックス。」「お、おう。」現実がまだちょっと受け止めきれてないマックスが戸惑いがちに返事をした。ランチを終え、優雅に歩いて来たマーメイドが列を見て、「あらま。すごいたくさんのお客様。」マックスが長机を出して、釣り銭用の小さな金庫、チケットの束などを支度し始めた。エディーが「マーメイド、手伝って。おれが列を整えるから、最後尾の案内してよ。」「ええ、いいわよ。それにしても、エディー、すごい数のお客さんね。よそのサーカスみたい。」「なんてこと言うんだよ、マーメイド。ここは間違いなくワンダーランドサーカスだよ。」「まぁ、そうなんだけど。でも、エディー、当日券ってそんなにあるの?」マーメイドにそう言われ、エディーが一瞬絶句して「た、たしかに・・・そうだな・・・。」「どうするつもり?せっかく来てくださったのに入れないお客様、可哀想だわ。」話しているうちに、ジムが最後尾の整理を始めていた。「ねぇ、ねぇ、私たち、入れるかしら?」案の定、列の後ろの方のお客さんに尋ねられている。「そ、それがですね・・、お客様、・・。今、お越しいただいている人数を確認させて頂いてまして・・・お入り頂けるかどうかは・・・その・・・。」様子をうかがい、キョロキョロしながら言いにくそうに答えたジムに「えー!?そうなの?」残念そうな顔を見合わせている。列を整理しながら数えたエディーが、列の中ほどで、「こちらのお客様で当日券のお座席の販売は完売となります。申し訳ありません!残りはわずかですが、お立ち見でよろしければ、・・・」と小走りして数えて「こちらのお客様までとなります。」集まったお客さんの中の入れそうにない人たちからため息がもれる。大人数の同時のため息の破壊力に、エディーは眉間にシワを寄せた。
ソフィアとバートが犬たちの散歩から戻って来て、この状況を目の当たりにして、事情を聞くと、バートが「エディー、始まる前に、何かやってあげてよ。入れない方々の為に。西側の広場辺りで。」その言葉に、エディーは眉間のシワを消して、「なるほど。それなら、この前、おれたちが次に行く町でやったイベントの一部を見てもらおうか。」バートが喜んで「うん。僕も見たい!」「見たいとか言ってないで手伝え。」バートは笑顔で頷いた。ソフィアが「じゃあ、お姉ちゃんたちに知らせて来るね!」言いながらもう走り出していた。

by kigaruni_eokaku | 2019-05-24 22:03 | 物語 | Comments(0)
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千秋楽までの日々は一日一日お客さんが以前より増えているのは見るからに明らかだった。イベントで、この町のお客さんとの繋がりがより強いものなれた結果が目に見える形になった。「お客さん、増えてるなぁ。」ジムが開演前の客席やゲート周りを見てエディーにつぶやくと「はい。どうやら、イベントの効果、意外とあったみたいですよね。マックスやバートたち、上手くやれたってことかな。」「そうだな。我々の方も事前に次の町の皆さんたちと触れ合う機会を持てたから、初日を迎える時にはじめましてではないことは、これまでよりも良いことだと思うんだ。実際に前売りチケットの売れ行きの出足が良いんだよ。」「そうなんですか?団長、それは嬉しいですね。」二人はホッと安堵の笑みをした。
「本当に、効くんだって。」「本当かなぁー?」売店コーナーでバートのキャンディーを売っているのは、ジャックだった。大学生くらいの男の子が二人、棒付きキャンディーを手に持ってくるくると回すだけで買うのには中々至らない。男の子の1人が「高いしなー。」そう言いながらキャンディーをカゴに戻した。ジャックが動じずに「今日は、女の子は一緒じゃないの?」二人に尋ねると「誘ってる。ここで待ち合わせなんだ。」「あ、そう。恋人?」わざと歳上の余裕を見せるように振る舞うと、かすかに憮然として、「いや、こないだ、大学のサークルの交流会で会ったばかりなんだ。」もう一人はそんなに気にしていない様子で「うん。初めて四人で会うんだ。」二人の話にジャックがうなずいて、「なら、買っておいた方がいい。」と、そこへ、「ジャック、これ、サンドイッチ。母さんから差し入れよ。全部食べちゃダメよ。半分はティムによ。」ソフィアがランチバッグをジャックに手渡す。「あ、ありがと!わかってるって。腹減ってた。今日も頑張って。」「うん。ありがとう。」羽織っておる大きめの長いパーカーの中はもう衣装姿で、きれいにお化粧もしているソフィアがニッコリと微笑んで応えてからお客さんにも笑みを向けるとバックヤードへ走っていった。大学生がしばしぽかーんとソフィアに見とれていたことに気を良くしたジャックが「きれいだろ。あの子。おれの彼女。」得意げにアゴを上げる。「えっ!?」二人同時に声を上げるとニヤリとしたジャックに、まだ手にキャンディーを持っていた方の男の子が「これ、ください。」キャンディーをジャックの前に差し出した。「お、おれも。」もう一人もまたカゴからとって、同じようにした。「お買い上げ、ありがとうございまーす!」一部始終を見ていたティムが、お客さんが店から離れてから「呆れちゃうね。ソフィアを商売に利用するなんて。」本番のステージに立つようになったソフィアの代理でポップコーンの店をしている。「利用?おれは、ソフィアがきれいだろう?って自慢しただけだ。」「なんだ。のろけか。」「あのねー、ティム、子どもらしく大人を敬いなさいよ。」ジャックがたしなめると、ティムが小さいため息をついてから「ソフィアは、今、丁度恋に恋してる年頃だから、たまたまそんな時にジャックが目の前に居ただけだよ。抽選に当たったみたいなもんだ。」「お、お前、どんだけ耳年増だよ。恋に恋してる年頃て。生意気だなー。そんなこと言ってたってな、ティムだって、すぐ女の子を追いかけ始めるさ。」ジャックは冗談ぽくそう言って、片手を腰にあて反対の手の人差し指をティムの鼻先に持っていく。ティムはその手をスッと払うと「追いかけたって仕方ないじゃん。すぐ別の町に行っちゃうのに。」淡々と冷静な表情と口ぶりのティムにジャックは次の言葉が出て来なかった。「ポップコーン、2つください。」女の人の声が、二人の話を中断した。「いらっしゃい。2つですね。」ティムは、ポップコーンの屋台の方に戻り、愛想よくポップコーンをスコップで紙のケースに入れて、女の人に渡して、お金を受け取った。「ありがとうございます。」「・・・ティム、ごめん。おれ、悪いこと言ったな。」ジャックが申し訳なさそうに言うと「気にしなくていいよ。もう慣れてるから。友達になったヤツ、何人かは、今でも繋がってるし。それに、つい最近までは、さっきジャックに言ったように、どっか、諦めてわざと友達にならないようにしてたりしたんだけど、実はこの前のイベントの時のバートの話、聞いて思ったんだ。おれの【明日】は、獣医になることだけど、あと1つ、自分が世界中どこにいても、死ぬまで付き合える親友一人と、どこに行く時も一緒に居てくれる、結婚相手が居る【明日】が良いなって。そう決めた。」「ティム・・・。お前はえらいよ。絶対、来る。その明日が。」いたく感心したジャックがティムの両肩を強く掴んで真剣にそう言うと「痛いなー、ジャック。離してよ。」「お前が女の子なら、迷わず抱きしめてる。」「コラコラ。」「冗談だよ。」ティムが気持ち悪そうに眉も口角も下げ、「とにかく男で良かったよ。」両手で力一杯ジャックのみぞおち辺りを押してポップコーンマシンの前に戻った。構えていなかったジャックは咳き込みながら「まいった。おれにもまともな【明日】が来るように、後でしっかり者のお前の爪の垢をくれよな。」「嫌だよ。」ティムが鼻にシワを寄せた。

by kigaruni_eokaku | 2019-05-15 22:42 | 物語 | Comments(0)
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時間は少し遡り、バートたちがイベントの片付けを終えて帰途についていた頃、公園の芝生ではアリッサが同じクラスの仲良しの友人、クレアと並んで座っていた。「アリッサの彼氏、すごいね。」「えっ・・。」アリッサの頰が紅くなり、口数が減る。「あーんな遠くから投げられたものをカッコよくキャッチしたり、アクロバットとか、とにかくすごいわよ。私、テンション上がっちゃったわぁー。」楽しそうに思い出してクレアが身振り手振りしながら話す。「う、うん、そう、だね。」「声掛けて帰らなくても良かったの?」クレアがアリッサの方を見る。「うん・・。いい。」「なんで?見にきたよー、カッコよかったよーって言ってあげたら良かったじゃない。」アリッサは首を横に振り、「ううん。バートはお仕事だから。私は今日はただのお客さん。」クレアはアリッサをジーっと見つめて、「うわっ。アリッサもカッコイイ〜。」「もうー、クレア。からかわないで。」右手でクレアの肩を軽く押した。クレアは笑ってから空を見上げて、「私、彼のイベントの最後のあいさつにも感動したよ。アリッサは?」「私はね、少し前にあの話で、励ましてもらったんだ。」「じゃあ、知ってたの?」「うん。彼らが、この町での千秋楽を終えて遠くの町へ行ってしまったら会えなくなるから・・・、行かないで、とか言って、彼を困らせたんだ。そしたら、あの話をしてくれて、私に将来何になりたい?って言ってくれて、私が身近な人を幸せにするファッションデザイナーになりたいって夢を伝えたら、なんか、褒めてくれて。」うつむいて笑う。「それで、サーカスのみんなの衣装をデザインしてみてって。そう言って励ましてくれた。私は、彼と離れてしまって会えなくなることより、衣装デザインの方に気持ちを向けることが出来た。」クレアが優しい顔で「へー。素敵なエールだね。アリッサが、自分の明日のチケットを見失わないようにしてくれたんだね。」「クレア・・・。」「どこに行ったって、彼はアリッサの夢を応援してくれるだろうし、あなたのことを大事に思ってくれてるのよ。」アリッサは幸せな気持ちと切なさが一度にやって来て、みるみる目の前が滲み、涙がポタポタと落ちた。驚いたクレアが、「あ、ア、アリッサ?ごめん!なんか変なこと言った?私・・・。」アリッサの顔を覗き込みながら、慰めるように二の腕を優しく撫でた。「全然、変なこと言ってない。むしろ素敵な事を言ってくれた、ありがとう。私、どっか不安だった。バートのこと、信じてるし、大好きだし、バートもそう言ってくれたのに、離れちゃうのがほんのちょっと不安だった。でもクレアの言ってくれたことで、バートが、私を迷子にならないようにしてくれたって、よく分かった。」クレアが暖かい笑みで頷いて「そっか、そっか。」アリッサの頭を撫でた。「ね、クレア、ハグしていい?」クレアは半笑いで「えっ?いいけど?何、急に。」アリッサがクレアを抱きしめて、「ありがとう、あのね、なんかバートの所の家系が嬉しいと思わずハグしちゃうんだって。」クレアは身を離すと「ふふふ。なぁに、それ。でも、それ、いいね。アリッサにも似合うと思うよ。」顔を見合わせて二人でひとしきり笑って、芝生に仰向けに寝転がると、アリッサの涙は空に吸い込まれた。
by kigaruni_eokaku | 2019-05-11 22:08 | 物語 | Comments(0)
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サーカスの事務所では、ケイトが一人、おろおろしていた。「どうしましょう。」思わず独り言が出てしまう。しばらくして、マックスやバートたちが帰って来た。物音や、話し声に気付いたケイトが駆け出して来て、「ね、ね、ね、どうしましょう。」マックスが道具の入った箱を地面に置いて「何?ケイトどうした?何かあったの?」心配そうに尋ねる。「電話があってね、」「うん、誰から?あ、もしかして、あっちの町に行ってるエディーたちの方でだれか怪我でもしたの?」ケイトがブンブンと手と首を同時に振って「違う違う、そんなんじゃないの。電話はギルバートイリュージョンの団長さんから。」マックスは良くない想像がはずれてくれて緊張が解け、首を傾げて「は?ギルバートイリュージョンの団長が?何の用事で?」「うちの千秋楽が終わった夜にパーティーを開いて欲しいって。」「パーティー?」「そう。マーメイドとあちらの団員で、彼女の恋人、アンドリューの結婚パーティーだって。」ジャックとバートも途中から話を聞いて、「マーメイドが結婚!?」ジャックの声がひっくり返る。バートも驚いて、「へぇー!結婚するんだ、マーメイド!ここでパーティーを?」ケイトが頷いて「ええ。そうなんだけど、急に言われてびっくりしちゃって。向こうの団長さんがいうには、食事はケータリングを自分が祝いに提供するから、ワンダーランドサーカスには大テントをパーティー会場として貸して欲しいって、そうおっしゃって。」バートがマックスとケイトに「団長さん、粋な人だね!みんなでマーメイドたちを目一杯祝ってあげようよ。」ジャックも「そうだな。めでたいじゃないか。」穏やかに笑う。ソフィアが遅れてバートたちのところにやって来て「みんな、どうしたの?何の相談?」ジャックがマーメイドの件を話すと、ソフィアは嬉しそうに飛び跳ねて「そうなんだ〜!よかったねー、マーメイド。千秋楽の夜ならみんな気楽だし、いいじゃない。」ケイトが続けて「それでね、ギルバートイリュージョンの団員さんは公演期間中だから、みんな来るわけにはいかないから、代表で何人かお祝いに駆けつけるからよろしくって。」ソフィアがケイトの手を取り、「お母さん、お花とか風船いーっぱい飾って楽しいパーティーにしましょう。お姉ちゃんたちはいつ戻るの?」」「今夜遅くには戻ってくるわよ。」「聞いたら驚くでしょうね。」マックスがパンと手を叩いて、「よーし!実行委員長、ソフィア・ポートランス、副委員長、ジャック・フェリー。任命。」ジャックが急に巻き込まれて「えっ!?おい、何勝手に決めてるんだよ、マックス。」「いいだろ、べつに。そもそもお前さんがうちの財布握ってるんだしな。あ、バートも手伝ってやれ。」「うん。もちろん!喜んで。」ケイトがホッとした顔をして、「あなたたちが仕切ってくれるなら安心だわ。実は私、ジムがいないのに、ギルバートイリュージョンの団長さんに、お祝いだからなんとか頼むと言われて、もうOKの返事しちゃってたから・・・。」最初のうろたえぶりはそういうことかと一同が笑った。その大きな笑い声に何事かと今日一緒にイベントをした仲間がみんな集まって来て、結婚パーティーの話を聞いて大賛成と、拍手拍手でマーメイド本人は不在ではあるが、お祝いムードが盛り上がった。
by kigaruni_eokaku | 2019-05-08 18:12 | 物語 | Comments(0)

自作のイラスト・物語、手作り品の紹介など。


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