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明日のチケット(第21話)雪雲劇場2

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テント奥のバックヤードで、出演者が上演前に集合していた。団長が「みんな、今日もよろしくな!バートが今夜の公演でデビューだ。拍手〜!」「ヒュー!」「イェーイ!」パチパチパチパチ!「バート、何か、一言!」ピエロのマックスが叫ぶ。団長も「そうだな。バート!一言!」みんなの盛り上がりを静かに静かにと両手を下向きに動かして、バートの背中を押し、前へ一歩出させた。バートは会釈してから「ありがとうございます!すっごい嬉しいです。緊張してますが。失敗しないように頑張ります。」「頑張ってー!」「大丈夫だぞー」みんなが口々に励ます。団長が「マックス、ダン、ケビン、支えてやってくれ。」ダンがニコッと「もちろん。っていうか、こいつは全然大丈夫ですよ。」ケビンも笑って、「そうだよ。いっそ一人でやるか!?」ケビンがバートの背中を叩くと「いやですーもうー!」苦笑いのバート。団長もケビンたちにつられて笑って、「分かった分かった。さっ、じゃあ、今日も怪我がなく、一番良いパフォーマンスでお客さんを楽しませてくれよ。」「イェーイ!」みんな周囲の団員と笑い合い、握手したりハイタッチしたりして、テンションをあげて、集中して行く。団長は裏の動物達のスペースに行って、一頭一頭に「今日も頼むよ〜。一緒に頑張ろうな〜。よーし。」声をかけ、目を合わせて行く。プログラムのはじめの出番の馬を二頭、引き出し、担当の団員に引き渡す。飾りを付けてもらい鞍をのせると、馬は優しい穏やかな目で団員を見て、リラックスした様子。バートの出番はこの馬達の後。テントの中に流れていたBGMがフェイドアウトして、開演5分前を知らせるチャイムの音が流れる。
やがて照明が落ちて、サーチライトのように場内を駆け巡り、いつものドラムロールが切れると団員達の並ぶステージが明るく華々しい音楽と共に輝くと、客席から拍手が起こる。団長のあいさつの後、コミカルな曲がかかり、ピエロのマックスと若手のピエロのジェシーが高くジャンプしながら手を振った後、くるくると側転して入場。最後の着地でジェシーだけがわざと失敗して転がる。しばらく寝そべっていると、ソフィアと仲良しのプードルたちが寄ってきてペロリと舐めると飛び起きと客席から笑いが。マックスとジェシーがプードル達を率いて、回転させたり自転車に乗せたりと賑やかな音楽に合わせて楽しそうに見事にパフォーマンスを繰り広げ、退場と同時に馬たちが走り込み、馬上で曲乗りをする団員。バックヤードではバートがダンとケビンと最終打ち合わせ。「分かったね?バート。」「はい。」馬上パフォーマンスが終わり、セット転換の間、マーメイドが客席通路を歩きながらお客さんに投げキッスをしたり、花をプレゼントしたり、サービス。派手な衣装のぽっちゃりマーメイドがその衣装にいっぱい付いたフリルをふわふわ揺らして、笑顔で手を振ると、お客さんは彼女の行く方行く方へ目線をやる。と、段々とBGMの音量が上がって、ステージ袖に消える前にマーメイドが走り出してそのままなんと勢いよく前転、宙返りまでしてぴょこんと綺麗に着地して激しく踊りながら手をふって退場するとお客さんはざわざわと笑いにつつまれたのち大拍手。見ていて激しく驚いたのは彼女にえらい目に遭わされたジャック。(えー!?マーメイド、何をするのかと思ったら、すごいな。やるなー。)思わず目を見開きあっけにとられ、口も開いてしまう。
音楽が一旦消えて、照明も落ち、ドラムビートに変わり、バートとケビンがピンスポットを浴びて、上手と下手から同時にスピード感あるバック転で登場。客席は大拍手、そしてノリノリの手拍子に。バートがトランポリンに乗ると、速い曲が流れて、ケビンがリングにボールに、箱、ボーリングのピン、ランダムに色んな物を投げるのを見事に受け止めてはジャグリングして、ダンに渡して行く。ダンは次々にそれらを受け取ってクビに掛けたり、蹴っ飛ばしたりしながらこれまた見事に箱の中へと入れて行く。フィニッシュは大きな輪を受け取り、輪を絡めてトランポリンで弾み回転して着地、と同時に持っていた輪を投げて人間輪投げ。立っていたダンにストンとハマる。ダンは驚いた演技をオーバーアクションで表現。拍手〜と客席を促すまでもなく、大拍手が起こる。バートが道具を入れていたコマ付きの箱を引っ張って来て中を覗き込んでから、カラフルな大きな筒を取り出して、音響効果のファンファーレに合わせて、バズーカよろしくドーン!と打つと中からキラキラのリボンが広がり、テントの中を舞い、小さなテディベアがついた、パラシュートが客席に飛び、ふわふわと落下するのをお客さんが手を伸ばしてキャッチして盛り上がる中、三人がステージ中央で手を繋ぎ高く上げて、深くお辞儀をすると、楽しい音楽と共に手を振って全力疾走で退場。BGMの音量が上がり、拍手もテントを膨らませんばかりに全体を包み込んだ。

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by kigaruni_eokaku | 2018-10-23 09:23 | 物語 | Comments(0)

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