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明日のチケット(第18話)雪雲劇場2

b0314689_22163937.jpeg団長とメアリーが話している頃、買い物から帰った団長の妻、ケイトがテント近くでほかの団員達と道具を運んだり、話していたソフィアに会った。「ただいま。お疲れ様。みんな、いつもありがとう。今日はパンケーキを焼くから食べてね。」ソフィアも団員達も「わぁー!やったー!」喜ぶ。そしてソフィアが、「あっ、お母さん、今ね、お父さんの所に、バートのお母さんが来てるわよ。」ケイトは、あら!っと言う顔をして、「そうなの?じゃあ、ご挨拶して来なきゃね。」部屋に向かった。「あなた〜、バートのお母様がいらしてるって、ソフィアに聞いて来たんだけど。」部屋に入る前に声をかける。「あ、ああ、ケイト、そうだよ。」少し焦りながら平静を装うジム。メアリーは「奥様ですか?!」立ち上がり、入り口に駆け寄り部屋の外に居るケイトと、顔を合わせ「奥様、バートが・・・お世話になって・・・います・・・。」深く頭を下げてそのままのメアリーに、ケイトは、「そんな、まぁ、ご丁寧に・・・。お顔をあげて下さい。私達の方がバートにお世話になっていますよ。ありがとうございます。優しい良い子で、いつも色々と、気にしてくれて。お茶をお入れしますね。」にこにこと優しくあたたかな人柄がにじみ出る団長夫人、ケイトに、メアリーは居ても立っても居られず、「いいえっ!奥様っ!」キッチンへ行こうとしたケイトを引き留めた。「はい?」よく分からず振り返って歩を止めると、ジムがメアリーに「お母様、家内には私から話しますから・・・。その間、バートの練習でもご覧になって来て下さい。誰かに案内させます。」サッと外に出て、たまたま通りかかった、ピエロのマックスに「バートのお母さんに、彼の練習を見せてあげて。案内を頼めるかい?」マックスは明るい声で「バートのママさん?それはそれは。こんにちは。いいですよ。こちらです。」メアリーは眉を下げて振り返り、申し訳なさそうにジムのほうを見ているとジムは幾度か頷いて口元をキュッと引き締めた。メアリーはマックスについていった。
ケイトは不思議そうに、「ジム、どうして?私もお母さんにちゃんと挨拶がしたかったし、お話もしたかったわ。」そう言ってソファーに座った。ジムはケイトの横に座りなおして、「ケイト、話があるんだ。信じられないような話だけど、よく聞いて欲しい。」妻の手をしっかりと握った。「え・・・?」想像を超えた話を聞いたケイトは「それ、本当に?でも、・・・どうして・・・あなた・・・そんな。」にわかには受け止めきれず困惑しているケイトをジムが抱き寄せると「そんな、酷い事、なぜ出来ますか。あなたは許せるのですか。」ケイトが強い口調で言って泣きながら唇を震わせる。ケイトの身を離し、目を見て「全面的に許せるとは、思っていない・・・。けど・・・。」ケイトは悔しそうに「けど!けど、なんですか?!」「私は、アレックスに、また会いたいけれども、心の奥で、どこに誰が連れ去ったか分からないアレックスに会えるわけはないと、諦めてもいた。けれど、あんなに元気な良い青年になって、しかも、サーカスに入りたいと言って自分の所に帰って来るなんてすごい事だと思ったんだ。奇跡だよ。」「奇跡?それだけで片付きますか?あなたは、あの時の悲しみ、寂しさ、そして、この19年の私たちの重い重い傷。はい、お返ししますって、そんな簡単に現実を受け入れられるの?」「ケイト・・・勿論、そんな訳はない。だけど、恨んで彼女を責め続けても、これからもずっとおまえが辛いだけだよ。私は、もう、苦しむおまえは見たくない。」「あなたはそれでいいかも知れませんが、・・・私は無理よ・・・。」悲しい顔で首を横に振るケイトに「今、きっと彼女はバートの練習を見ているよ。一緒に見ておいで。」ジムが言っても「いやよ。」ケイトは涙を浮かべ、また強く首を横に振った。

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by kigaruni_eokaku | 2018-10-12 22:45 | Comments(0)

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