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明日のチケット(第11話)雪雲劇場2

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次の日、バートがロッドさんの依頼の配達を終えて、帰る時、店を出た所でキャンディーを買ってくれた女の子とばったり出会い、目が合ったのでなんとなく会釈すると、「あ・・・、サーカスのキャンディー屋さん・・・?」女の子はポツリポツリと確かめるように言った。「うん。そう。この前はありがとう。あ、あのさ、」バートは、『きみが一緒にいた男の子・・・』と昨日の事を言いそうになってから、思いとどまって、その先の言葉に急ブレーキをかけた。「何ですか?」女の子は軽く首を傾けて、バートに続きを促した。(言ったらきっと彼女は傷つくよな・・・。)それにこれは自分が告げ口みたいに言っていいことなのか、彼が一緒にいた娘はもしかしたら身内とか何の恋愛感情もない女友達ってこともある。バートが黙ってしまい悩んでいると、彼女の方が「私の恋が叶ったか、知りたいですか?」「あ・・・、あ、その・・・ど、どうなったのかなー。」バートは仕方なく流れに任せて尋ねてみた。彼女はさらっと「全然。アーサーはモテるもの。」「でも、この前、サーカスを見にきてくれたのは、デートじゃなかったの?」「違うわ。彼はサーカスが見たかった。教室でサーカスの話をしている時にたまたま、私が側にいたから誘われただけ。」女の子はあさっての方向を見る。バートは意を決して「えーっと、彼の事なんだけど、間違えていたらゴメンね。僕、昨日、彼が君じゃない別の女の子と楽しそうに歩いているのを見たんだ、だから・・・、その・・・。」女の子は「やっぱりね・・・。さっきそれを言おうとしたんですね。」バートは黙って頷く。「彼のこと、なんとなく、分かってました。」バートは、言ってしまった事を彼女が受け入れてくれたようなので、落ち着いた口調で「アーサーのどこが好きなの?」聞いてみる。「カッコ良くて、スポーツ万能、頭が良くて、みんなに勉強も教えてくれたりするの。ステキでしょ。」バートはニコっとして「カッコ良くて、素敵は、無理だけど、スポーツ万能と、頭脳明晰は僕もそうだよ。」と冗談ぽく言うと女の子は、えっ?という表情をしてから笑う。「あっ、初めて笑ってる顔見た。」バートが言うと、「そうですか?」また笑う。今度は偶然の笑顔ではなく、親しい人にする自然な笑みだった。彼女も冗談ぽく「本当にスポーツ万能で、頭脳明晰なんですか?」「そりゃ、そうさ。僕はキャンディーを売るのが本業じゃないよ。」キョロっと見回してすぐ近くに人がいない事を確認すると、両手を上げそのまま倒立をするように地面に手をついてすぐくるりと回り、元のように綺麗に立った。「ああ!すごい!すごい。サーカスの人なんだ。」「なんだと思っていたの?」「キャンディー屋さん。」バートは地面についた両手をパンパンとはたきながら笑う。「学生の頃は勉強も、ものすごくしたんだ。父親が成績良くないとサーカスに入ることを認めてくれなかったから。だから勉強だって教えてあげられるよ。って、何アピってるんだろ。」自分で言って笑うと、女の子は一緒に笑って「ありがとう。アーサーのこと、教えてくれて。言いにくかったんでしょう?私が嫌な思いをするって、考えてくれたんでしょう?でも、聞けてよかった。あのー。本当に勉強を教えてくれますか?」バートはしばし固まってから、ゆっくり一回頷いて「名前、聞いてもいい?僕は、バート・フォックス。」「私はアリッサ・ラングリーです。」「よろしくね、アリッサ。」バートの出した右手に彼女は快く握手をした。
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by kigaruni_eokaku | 2018-09-27 23:57 | 物語 | Comments(0)

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