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明日のチケット(第3話)雪雲劇場2

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「あっ、バートじゃないか。飲みに来たのか?」立派な酔っ払いのジャックに対照的なシラフのバート「いえ配達です。」「ふうん。それ、置いたら終わりか。」「ええ、まぁ。」「よし、じゃあ、帰ろうと思ったが、もう一杯だけ飲んで行くか。せっかくバートにまた会えたしな。」酔っ払いが更に飲む理由はなんでもいい。バートは店主に伝票を渡すと、ジャックに「いえ、僕はお酒は飲まないことにしてるんで。」目をパチクリして、ジャックは「は?なんだ?サーカス団の一員として一人前になるまでは!とか思ってんのか?」ハッとした顔をしてから、真剣な表情になったバートは「はい。そういうことです。」2人が入り口で立ったままだったので、酒場のおかみさんが「入るの?入らないの?」しびれをきらす。ジャックはバートの腕を掴み、「入りまーす。」「ちょっと・・・!ジャック。」バートは無理矢理カウンター席に座らされた。おかみさん「あら、バート、今日は飲むの?」「まさか。」おかみさんは明るく笑いながら、「でしょうね。」そう言ってから横のジャックに「出戻りのあなたは飲みすぎ。」たしなめるもジャックは「まだまだ。大して飲んでないよ。」ジャックには氷水を出して「バート、レモネード入れたげる。お代はジャックからもらうから」小声で言ってウインクする。「ありがとう。」バートはレモネードを飲みながら、ボンヤリとサーカスのことを考えていた。カウンターのステンドグラスのランプのそばにあるものに目がいく。「ね、おかみさん、これ、何?」「ああ、これ?キャンディーなのよ。綺麗でしょ。これ作ってる人が売ってくれって置いていったの。でも高いから売れないの。こだわりだし、手がかかってるらしいんだけどね。」バートは棒付きの綺麗なキャンディを一つ手に取る。それは1センチくらいの厚み、円の直径が7センチくらいの透明なキャンディの中にエディブルフラワー、つまり食べられる花が閉じこめられていた。「なんて綺麗なんだ。咲いたばかりみたいだ。」おかみさんはバートの言葉にニッコリして、「そんなに気に入ったの?じゃあ、好きなのを1本あげるわよ。今日は無理な配達お願いしちゃったし。」「えっ?いいの?高いんでしょう?」「このキャンディ一つあなたにあげたからって、うちはつぶれたりしないわ。」おかみさんは笑う。「おかみさん、ありがと!」その様子を見ていたジャックが、「酒より飴?お子ちゃまだなー。そういやさっきもおれにくれたもんな。」「あれは、子どもにあげるためにいつも持ってるんです。」「お前、その若さで、もう子供がいるのか?!」ジャックが驚き顔。「違うよ。僕の子じゃなくて、サーカスの仲間の小さい子供にあげたり、お客さんのお子さんで、たまに大きな音なんかに驚いて泣いてしまう子がいるんだ。そんな時にあげるんだよ。」ジャックは感心顔で、「へぇーーー」バートはおかみさんにもらった棒付きキャンディをステンドグラスの灯りの方に向けてずっとながめていた。
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by kigaruni_eokaku | 2018-09-01 22:33 | 物語 | Comments(0)

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