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月と花【第10話】雪雲劇場

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少年は目を見開き、不安そうに、彼女の言葉を繰り返しました。マリーは「うん。何か、私が困るようなことが起きるから、言えないんでしょう?だから。どうなってもいいから気にしないで。話さなくてもいいし、何があってもいい。」「そんな事、言っちゃダメだよ。おうちに帰って。」マリーは悲しく笑って、(そういうと思った。)心の中でそう呟いていたら、少年が大きく息を吸い込んで、一度息を止めて目を閉じてから、パッと目を開けて覚悟を決めた様子で、「僕の秘密を聞いた人は死んじゃうんだ。僕はマリーが死んじゃうなんて嫌なんだ!」マリーは驚き、小さな声で「死んじゃうの・・・?」その声は少しだけ震えていました。少年は湖の方を向いて、「そうさ。だから言えない。お願い、帰って。」彼女の方に向き直り、立ち上がらせると「それから、もうほんとうに、ここに来ちゃダメだ。」「じゃあ、聞かない、聞かないからここに居させて。」と、少年の両方の二の腕を強く掴みました。と、少年が急に苦しそうに目を閉じ、ガクンとひざをついて座り込んでしまいました。マリーは、彼を支えて「どうしたの?!大丈夫?!」ちょうどその時、少年は心の中に月から話しかけられていました。『たとえ、彼女があなたの秘密を聞かなくても、あなたは最初から幻かもしれないのです。ある日突然、彼女の目の前から消えてしまうかもしれません。そうなった時、きっと彼女は今よりもずっと悲しむことでしょう。』少年は苦しそうに息をしながら、「それなら今、僕を死なせて。僕もマリーといられないなら存在していても仕方ない。こうして僕を、苦しめ、られる、なら、あなたが、僕を消すことも、簡単なことでしょう。」月は少年に『私は、あなたに何もしていません。幻のようなあなたの身体が変調をきたしているのです。さぁ、だから彼女を帰しなさい。彼女には彼女の生きるべき場所があるのです。』ふいに、マリーが、少年を草の上にそっと寝かせると、湖にジャブジャブと入って行くではありませんか。それを見た少年は「マリー!何してるの!やめて!危ないよ、この湖、結構深いんだ!」叫び、苦しみの中でよろつきながら、立ち上がって追いかけました。実はマリーにもうっすらと、月の声が聞こえていました。マリーは月にも聞こえるような大きな声で「私が死んじゃうかどうか、話してよ!お願い!」そう言うと胸まで湖に浸かりました。ガサガサと草の音がして、「そ、そうだ!死ぬわけない。僕もその話を聞くぞ!」なんと、アルベールが出て来たのです。彼にも月の声がかすかに聞こえていたようでした。不思議なことに、月明かりか湖の力か、いつのまにかマリーの髪も青くしてしまっていました。「アルベールさん!?」マリーと少年はびっくりして振り返りました。〜つづく〜



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by kigaruni_eokaku | 2018-08-14 19:49 | 物語 | Comments(0)

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