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月と花【第7話】*雪雲劇場*

b0314689_21380451.jpeg少女は、酔っ払った両親が、居間に居眠りこけている横を静かに通り過ぎ、そうっと自分の部屋の寝床に入りました。窓から月が光が差しています。少年はどうしているのかと、森に一人でいる彼のことを考えたら、どうしたらいいのか、分からなくなっていました。

翌日、少女の家に、御者だけが乗った馬車がやってきました。少女の両親は何やら愛想よく話しながら、ペコペコとお辞儀をしました。そうです、あの結婚相手の人が彼女に会いたいと言っているので、この馬車に乗って来て欲しいということでした。
少女は言われるままに馬車に乗り、しばらくすると隣町のお屋敷の前に止まりました。召使いに応接間に通されると、「ようこそ。おいで頂いてありがとう。」花を買ってくれた時に思い描いていた通り、人柄の良さそうな青年でした。「あの、私・・・。」少女が緊張して何も話せないでいると、「ごめんね、急にきみの気持ちも確かめないで結婚の申し込みなんかして。」優しい話し方で謝る青年に、少女は「あ、いえ、お花をたくさん買って頂いてありがとうございました。」やっとそれだけ言葉にできました。ニッコリと笑った青年はちょっと幼い人懐っこい笑みをして、 「僕の名前は、アルベールといいます。きみの名前を教えてください。」少女はうつむいてすこしためらうような間があってから「マリーです。」「そうか、マリー、よろしくね。」曇った顔の少女マリーが気にかかりましたが、そのままアルベールは「実はね、僕は結婚したいといったけれど、きみも僕もまだ若いから、婚約で良いと思ってるんだよ。」そう続けました。「はい・・・。ありがとうございます。」やはり言葉とは合わないうかない表情の彼女に「何か、困ったことでもあるのかな?どうしてもこの話がいやなら、」そこまで言いかけるとマリーは「いいえ。そんなことはありません。私のような者と結婚したいだなんて言ってくださって本当に感謝しています。」深々と頭をさげました。
〜つづく〜

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by kigaruni_eokaku | 2018-08-09 00:00 | 物語 | Comments(0)

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